Colabo-ya《子ラボ屋》

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『地域』がイキイキする『データ』×『地域』のよい組み方

約 5 分
『地域』がイキイキする『データ』×『地域』のよい組み方

2019年、Civic Tech Zen Chibaというアライアンスを立ち上げました。

今回、地域を超えたアライアンスを作ったのは、イベントや講座を通して、ノウハウや人の交流ができることや地域を横断することによりスケール化できることはもちろんですが、たくさんの「『地域』がイキイキ」すると考えたからです。

地域を横断することによりスケール化することについては、『他の地域でアップグレードする』と言う項目でSoftware Design 2019年3月号に寄稿しました。
予防医学者の石川善樹さん
「新しさと質の高さはトレードオフ構造にある」という言葉を引用させていただきながら説明をしています。

ので今回は2月16日に開催する「データをもらいにお邪魔します! いすみ鉄道編」の活動にも関わるデータと地域との関わり方について書きたいと思います。

いい地域は『いいところ』ではない

地域の良さを伝える際、よく聞く言葉に「いいところだ」「便利だ」「住みやすい」などと言った言葉を使います。ですが、それらは圧倒的に正しく、完全に間違っている言葉だったりします。
その街を知っている人が発する言葉には、いいところ、便利、住みやすいと実感している当事者からの目線があります。
それ重要な感覚で、圧倒的に正しいのです。
しかし、全く知らない人が聞いたときに「いいところだ」と言われても十人が十人納得をしません。発する人の信憑生に大きく左右されるからです。
例えば当事者本人から「いいところだよ」と言われた場合、「へー!どこがオススメ?いつ行くといい?」と言った具合に、興味をそそられ対話が始まります。当事者は、自身の経験を持って手を替え品を替え良さを伝えることができます。

ところが一度、他の人や文字を通してしまうと「へーそうなんだ」と単純な認知のみに留まってしまい対話が生まれず、その情報の信憑生もイマイチになってしまうわけです。

よく地域には『キャッチフレーズ』がありますが、上のような伝達の方法では認識程度に終わってしまい、それ以上の理解が生まれないという状況になってしまうのはこの為でしょう。

「データを使うと伝わるもの」と「データを使うと伝わらないもの」

では、データを使って街の分析をし「この街の人口は○人です」「観光名所は○件です」と伝えれば人が行きたいと思うかというと、おそらく答えはNoでしょう。

人口が何人だろうと、観光名所がどれだけあろうと、そもそも「行ってみたいな」と思わなければ人は動機付けされない
では、データで伝わるものがそれ以外にあるのかというと、それもNoです。
データはあくまで客観的な情報でしかないのでそれ以上でも以下でもないのです。

「データを使うと伝わるもの」それは当たり前ですが基礎知識です。

例えば、食べ物の番組で「今が旬のいちご」と言われても「へーそうなんだ」と流れれしまいます。
基礎情報として
「普通のいちごより糖度が○度も高いです」
「年間生産量が○トンで、そのうちのほとんどがこの時期に採れます」
という情報があれば
「普通のいちごより糖度が高い=旬だから甘い」
「たくさん市場に出ている=旬だから安い」
知識をつなげて深めることができます。
しかし、それだけでも人の動機付けには足りません。「データを使うと伝わらないもの」があるからです。
圧倒的に正しい当事者の感覚が足りないからです。「本当に美味しいんだよ」というメッセージを伝えるにはやはり当事者の力が必要なのです。

誰が『地域』をイキイキさせるか

『地域』をイキイキさせるという目的に対して当事者とデータが必要だということはなんとなく理解していただけたと思います。では誰が『地域』をイキイキさせるのでしょうか。

答えの1つは、『地域』=『地域』の人
その『地域』がイキイキすること=その『地域』の人がイキイキすることです。
「地域活性化の為にモノや場所を用意したが意味がない」と言われたりするのは正にこれが理由です。
『地域』から『学ぶ』と自己肯定感が育まれる理由 に以前書いた内容とダブりますのでこちらは前回の投稿へ。

もう1つの答えは『アンテナが立った交流人口』
『地域』がイキイキする=『値域』の人がイキイキすることだと直近に書きました。
これは「地域住民が満足していることが重要だ」と解釈されることが多いのですが、実は違います
地域のひとが満足することは「その地域のサービスが良い」とか「地価が高い」とか「スーパーがたくさんある」だけでないのです。

「内輪ネタにしない」ことが重要

関係人口(「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。)が地域をイキイキさせるという構想はよく聞きますが、私はそれでも内輪になってしまうと考えています。

上のようなパワーのあるものではなく、

ハブとなる当事者が地域活動や地域貢献をする
 ↓
「ふらっときた」「知っている」といった人が地域の情報(データ)を知ることで、ライトに当事者感のあるインフルエンサーになる
 ↓
ライトインフルエンサーによって周囲2、3人がその地域に足を運びたいと思い『地域』の認知が生まれる
 ↓
人の輪が色々なところで自然に広がることによって、『地域』を地域外の人が肯定的に捉える機会が増える
 ↓
結果的に該当『地域』の肯定感が上がりイキイキする

といったように緩やかに広がるものだと思います。

その為の機会として、学びの場の創出やイベントの開催は必要です。
Civic Tech Zen Chibaでは、地域ごとに違うイベントを企画しています。ご興味ある方は一度足を運んでみてください。

主観的ではありますが、『地域』がイキイキする『データ』×『地域』の組み方のヒントが1つでも見つかりましたら幸いです。

カバー写真は、kazutan@YCC さんの作品です。(http://photozou.jp/photo/show/565915/205528798)